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春の資金ショートを防ぐ!1月資金繰りチェック完全ガイド

方眼ノートに大きく「資金繰り」と書かれ、その横に黒いマーカーが置かれている写真。上部には「春の資金ショートを防ぐ『1月資金繰りチェック』」という帯見出しが表示されている。

「今月は黒字なのに、なぜか通帳残高が減っている…」
「3月の決算までに資金が持つか不安…」

こうした悩みを抱える中小企業経営者は少なくありません。実は、企業倒産の約30%は「黒字倒産」だと言われています(東京商工リサーチ調査)。利益は出ているのに、支払いのタイミングと入金のズレで現金が不足する──この資金繰りの失敗こそが、経営危機を招く最大の要因なのです。

特に春(3〜5月)は、多くの中小企業にとって資金需要が集中する「危険な季節」です。決算対応、消費税・法人税の納付、新年度の仕入増加、賞与支払い…これらが一気に押し寄せます。

その対策の鍵を握るのが、1月資金繰りチェックです。年明け早々に資金の流れを点検することで、春までの資金不足を3か月以上前から予測し、余裕を持って銀行融資や支出調整を進められます。

本記事では、札幌・北海道の中小企業が押さえるべき1月資金繰りチェックの実践ポイントを、税理士の専門的視点から、わかりやすく解説します。

目次
  1. 【重要】なぜ「1月」のチェックが「春」の資金対策になるのか?
  2. 【実践①】1月資金繰りチェックで確認すべき「現預金・売掛金」
  3. 【実践②】銀行融資を見据えた1月資金繰りチェックのポイント
  4. 【実践③】税金支払いスケジュールと1月資金繰りチェックの連動
  5. 【実践④】資金繰り表の作り方と継続運用
  6. 【応用編】事業承継・経営改善を見据えた中長期資金繰り
  7. 【地域支援】札幌・北海道の中小企業が活用できる公的制度
  8. 【まとめ】1月資金繰りチェックで「春の資金不安」を解消しよう
  9. 前田泰則税理士事務所のサポート(札幌・北海道全域対応)

【重要】なぜ「1月」のチェックが「春」の資金対策になるのか?

税務カレンダーから逆算する「1月資金繰りチェック」の意味

多くの経営者が見落としがちなのが、税務・会計のスケジュールです。以下の表をご覧ください。

時期主な支出・イベント必要な準備期間
3月決算月(3月決算法人)、年度末の仕入・支払増加2か月前から資金手当
3月15日確定申告期限(個人事業主)1〜2か月前に納税額確定
5月末3月決算法人の法人税・消費税納付期限3か月前から納税資金確保
4〜5月新年度の賞与・昇給、新規採用人件費2〜3か月前に資金計画

この表が示すように、春の大きな支出は、1月時点で予測・準備が可能なものばかりです。特に消費税や法人税は、決算が締まらないと正確な金額は出ませんが、前年度実績や月次試算表から概算を出すことは可能です。

1月資金繰りチェックでは、これらの支出を先読みし、「3月末までにいくら必要か」「5月納税でいくら出ていくか」を見える化します。こうすることで、2月中に銀行融資の相談を始めたり、支出の優先順位を調整したりする時間的余裕が生まれるのです。

北海道特有の季節要因を織り込む

札幌・北海道の中小企業には、全国とは異なる地域特有の資金繰りリスクがあります。

季節要因資金繰りへの影響1月チェックでの対策
雪まつり経済の反動2月の売上集中後、3月に客足減少2〜3月の売上変動を織り込んだ資金計画
冬季暖房費の負担12〜3月の燃料費・光熱費が通常月の1.5〜2倍過去実績から冬季コストを上乗せ計上
年度替わりの雇用調整4月の新規採用・定期昇給による人件費増3か月前から人件費シミュレーション
春の観光閑散期雪解け後〜GW前の売上低迷(観光・飲食業)閑散期の運転資金を2月中に確保

こうした地域特性を無視した資金計画は、必ず現実とズレを生みます。1月資金繰りチェックでは、過去1〜2年の月次データを見返し、「北海道の冬〜春」ならではの入出金パターンを反映させることが不可欠です。

【実践①】1月資金繰りチェックで確認すべき「現預金・売掛金」

現預金残高の「安全ライン」を知る

1月資金繰りチェックの出発点は、全銀行口座と手元現金の残高確認です。ここで重要なのが、「いくらあれば安全か?」という基準です。

【資金繰り安全ラインの目安】

  • 最低ライン: 固定費(家賃・人件費・借入返済)の1か月分
  • 安全ライン: 固定費の2〜3か月分
  • 理想ライン: 固定費の6か月分(不測の事態に備える)

例えば、月の固定費が300万円の企業なら、最低300万円、できれば600〜900万円の現預金を常に確保しておきたいところです。1月時点でこのラインを下回っている場合、春の支出ピークまでに資金ショートのリスクが高いと判断できます。

このタイミングで、銀行融資の検討や、支出の先延ばし・圧縮を真剣に考える必要があります。

売掛金回収予定表で「入金のズレ」を見える化

次に重要なのが、売掛金の回収スケジュール管理です。多くの中小企業が資金繰りに苦しむ原因は、「売上は立っているのに現金が入ってこない」というタイムラグにあります。

【1月資金繰りチェック:売掛金管理のステップ】

  1. 全取引先の売掛金残高を一覧化
  2. 回収予定日(支払サイト)ごとに分類
  3. 3〜5月の入金予定額を月別に集計
  4. 回収遅延リスクの高い取引先をマーク

特に注意すべきは、支払サイトが60日・90日と長い取引先です。売上計上から実際の入金まで3か月かかる場合、その間の運転資金をどう確保するかが、資金繰りの成否を分けます。

【実践②】銀行融資を見据えた1月資金繰りチェックのポイント

銀行が最重視する「返済原資」を説明できるか?

「お金が足りないから貸してください」──この説明だけで融資を受けられる時代は終わりました。金融機関が審査で最も重視するのは、「返済原資(キャッシュフロー)はあるか?」という点です。

1月資金繰りチェックでは、以下の資料を準備しましょう。

【銀行融資に必要な資料チェックリスト】

  • 3〜6か月先までの資金繰り表(月次)
  • 過去6か月〜1年の試算表
  • 売上・利益の推移グラフ
  • 主要取引先リスト(売掛金・買掛金)
  • 借入金残高一覧(返済予定表)

特に資金繰り表は、「いつ、いくら足りなくなるか」「借りたお金をいつまでに返せるか」を具体的に示す最強のツールです。税理士と一緒に作成した資金繰り表を持参することで、銀行からの信頼度は格段に上がります

「資金使途」と「返済期間」を明確にする

銀行融資では、「何に使うか(資金使途)」と「いつまでに返すか(返済期間)」の2点を明確にする必要があります。

資金使途適切な融資商品返済期間の目安
季節的な運転資金不足(仕入・納税)短期運転資金融資6か月〜1年
設備投資(機械・車両購入)設備資金融資3〜7年
長期的な運転資金(人件費増など)長期運転資金融資3〜5年
赤字補填・経営改善経営改善サポート資金5〜10年(要経営改善計画)

1月資金繰りチェックで、一時的な資金不足構造的な資金不足を分けて把握しておくことで、適切な融資商品を選べます。

【実践③】税金支払いスケジュールと1月資金繰りチェックの連動

「利益は出ているのに納税できない」を防ぐ

春の資金繰りで最も見落とされがちなのが、消費税・法人税などの納税資金です。特に消費税は、売上が好調な年ほど納税額が大きくなるため、「儲かっているのに現金がない」という事態を招きます。

【主な税金の納付スケジュール(3月決算法人の例)】

税目納付期限1月時点での準備
消費税(課税事業者)5月31日前年実績×1.1倍で概算
法人税・地方税5月31日前期比±20%で概算
固定資産税(償却資産税)4月・7月・12月・2月(4回分納)1月納税通知書で確認
社会保険料・源泉税毎月年度替わりの昇給・賞与を反映

1月資金繰りチェックでは、顧問税理士と一緒に納税予定額の概算を出し、資金繰り表に反映させます。早めに金額がわかれば、納税資金を分割で積み立てたり、銀行融資で手当てしたりする時間が確保できます。

決算対策とキャッシュのバランスを取る

「節税のために設備投資しましょう」──この提案は、資金繰りを無視すると危険です。確かに税金は減りますが、現金も同時に減るからです。

1月資金繰りチェックでは、決算対策の選択肢をキャッシュフロー視点で評価しましょう。

【決算対策の資金繰り影響比較表】

対策節税効果資金繰り影響判断ポイント
設備投資(即時償却)大きく悪化現預金が十分ある場合のみ
少額減価償却(30万円未満)やや悪化必要な支出なら検討可
在庫処分・評価損計上小〜中改善または中立資金化できれば積極的に
役員報酬の見直しやや悪化社会保険料増加も考慮

決算対策は、あくまで「資金繰りに余裕がある範囲で行う」のが鉄則です。

【実践④】資金繰り表の作り方と継続運用

初心者でも作れる資金繰り表の基本構成

資金繰り表は、シンプルな構造です。以下のテンプレートを参考にしてください。

【資金繰り表の基本構成(簡易版)】

項目 1月 2月 3月 4月 5月
①期首残高 500 480 420 350 450
【入金】
売上入金 800 750 900 1,000 850
その他入金 20 10 50 30 20
②入金合計 820 760 950 1,030 870
【支出】
仕入支払 400 450 550 480 420
人件費 250 250 280 280 280
家賃・光熱費 80 80 70 60 60
借入返済 50 50 50 50 50
税金・社保 60 10 70 60 400 ⚠️
③支出合計 840 840 1,020 930 1,210
④差引増減(②-③) -20 -80 -70 +100 -340
⑤期末残高(①+④) 480 400 350 450 110 ⚠️

※単位:万円 | 3月決算法人のケース

この例では、5月の期末残高が110万円まで落ち込む予測が出ています。固定費が月250万円超なら、これは明らかに危険水域です。1月資金繰りチェックでこの表を作ることで、「4月中に融資を受けるべき」という判断ができます。

毎月更新で「生きた資金繰り表」にする

資金繰り表は、作って終わりではありません。毎月実績を反映し、予測を更新することで、初めて経営の羅針盤になります。

【資金繰り表の継続運用サイクル】

  1. 月初: 前月実績を入力し、計画と比較
  2. 月中: ズレの原因を分析(売上減?支出増?)
  3. 月末: 翌月以降の予測を修正
  4. 四半期ごと: 税理士と一緒に精度を検証

この習慣を続けることで、資金ショートを事前に察知し、早めの対策を打てるようになります。

【応用編】事業承継・経営改善を見据えた中長期資金繰り

後継者と一緒に作る「事業承継資金計画」

事業承継を控えている経営者にとって、1月資金繰りチェックは後継者教育の絶好の機会でもあります。

【事業承継で発生する主な資金需要】

  • 株式買取資金(親族内承継の場合)
  • 相続税・贈与税の納税資金
  • 経営権移譲に伴う金融機関への説明・保証切替
  • 事業承継税制の適用申請(専門家報酬含む)

こうした資金は、数百万〜数千万円規模になることも珍しくありません。1月資金繰りチェックの段階から、後継者と一緒に中長期のキャッシュフロープランを作り、計画的に内部留保や融資準備を進めることが重要です。

経営改善計画と連動した資金繰り管理

業績が一時的に悪化している企業では、金融機関に提出する経営改善計画書と1月資金繰りチェックを連動させることが不可欠です。

【経営改善計画に盛り込むべき資金繰り項目】

  • 月次の資金繰り実績と予測(最低12か月分)
  • 売上・経費削減の具体的アクションプラン
  • 返済計画(リスケジュール含む)
  • 金融機関への報告頻度(月次・四半期)

税理士や認定支援機関と連携し、実現可能な数字を積み上げることで、銀行からの信頼を維持しながら事業再建を進められます。

【地域支援】札幌・北海道の中小企業が活用できる公的制度

補助金・支援策を1月資金繰りチェックに組み込む

札幌・北海道の中小企業は、国や自治体の支援制度を賢く活用することで、春の資金需要を大きく軽減できます。

【主な公的支援制度(2026年1月時点)】

制度名対象支援内容問い合わせ先
ものづくり補助金製造業・サービス業設備投資の最大1/2補助中小企業庁
小規模事業者持続化補助金小規模事業者販路開拓費用の2/3補助商工会議所
北海道中小企業総合振興資金道内中小企業低利融資・利子補給北海道庁経済部
札幌市中小企業融資制度札幌市内事業者制度融資・信用保証料補助札幌市経済観光局

これらの制度は、採択まで2〜6か月かかることが多いため、1月資金繰りチェックの段階で情報収集し、申請準備を始めることが重要です。

地域金融機関との「早めの相談」が成功の鍵

札幌・北海道の地域金融機関(北洋銀行・北海道銀行・信用金庫など)は、地元中小企業との長期的な関係を重視しています。

【金融機関との良好な関係を築くポイント】

  • 決算書・試算表を定期的に共有
  • 資金繰り表を持参して相談
  • 悪い情報ほど早めに報告
  • 税理士同行で専門的な説明を補強

1月資金繰りチェックの結果を持って、2月中に金融機関へ相談することで、春の資金需要に間に合う融資実行が可能になります。

【まとめ】1月資金繰りチェックで「春の資金不安」を解消しよう

1月資金繰りチェックは、単なる数字の確認作業ではありません。春の資金ショートを未然に防ぎ、経営判断の精度を高める「先手必勝の経営習慣」です。

【1月資金繰りチェック:5つの実践ポイント】

  1. 3〜5月の支出ピーク(納税・仕入・人件費)を予測する
  2. 現預金残高が「安全ライン(固定費2〜3か月分)」を確保しているか確認
  3. 売掛金の回収予定日を一覧化し、入金のズレを見える化
  4. 銀行融資が必要な場合、2月中に相談を開始
  5. 北海道特有の季節要因(雪まつり・暖房費・観光閑散期)を織り込む

「黒字なのにお金が足りない」──この不安は、1月資金繰りチェックで必ず解消できます。まずは、顧問税理士と一緒に、現状の資金の流れを「見える化」することから始めましょう。

前田泰則税理士事務所のサポート(札幌・北海道全域対応)

前田泰則税理士事務所は、札幌・北海道全域対応の税務顧問として、1月資金繰りチェックを起点とした以下のサービスを提供しています。

【提供サービス】

  • 📊 資金繰り表の作成・継続運用サポート
  • 🏦 銀行融資の相談・交渉同行
  • 📈 決算対策とキャッシュフローのバランス最適化
  • 🤝 事業承継・経営改善計画の策定支援
  • 💡 北海道特有の季節要因を織り込んだ資金計画

初回無料相談実施中
「春の資金需要に不安がある」「銀行との交渉が不安」という方は、
まず1月資金繰りチェックの無料診断からお気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の経営判断・税務判断は、必ず専門家(税理士・金融機関など)への個別相談により行ってください。掲載情報は2026年1月時点のものです。

前田泰則のイメージ
所長
前田泰則
化学メーカー勤務中に税理士資格を取得し、独立。中小企業の税務顧問や銀行融資サポート、資金繰り改善の支援を中心に活動。相続診断士としての知見も活かし、「笑顔相続サロン北海道代表」として地域の事業承継・相続問題にも取り組む。また、農業経営コンサルタントとして道内の農業振興にも尽力。
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